事業仕分けという制度は面白いと思うんだ。いままで知らなかった予算とか事業がさらけだされて評価される訳だから。ただ現行のシステムは急ぎすぎて無理がある。それに、結果は参考にされるだけで強制力がない。結局最終的な決定権は財務省にあって……
はっ、そういうことか。つまり科学予算削減とか漢方薬保険適用外とか国民に受けの悪い予算削減をなかったことにして、予算を復活させ、国民および対象者から「財務省マンセー」状態を作り出そうとしている財務省の高度な戦術だったのか!




事業仕分け、アイデアとしてはいいと思うんですよ。問題は仕分け対象が偏っている(財務省が出してきた物だけ*1)というのと、議論の時間が短すぎるという点が問題だと思うんです*2
どうすればいいかというと、対象を国家予算のすべてにする。*3「国にとって絶対に必要な予算なんだから、わかりやすく説明して素人の疑問ごとき一蹴できなくてどうする」という気概のもとにまずプレゼンテーションを行い、予算を申請します。期間も1年くらいかけて。もっとも国の全事業に対し、いちいち順番に評価やっていたら1年かけても時間が足りないと思うので、5〜10分のプレゼン動画と、パワーポイント10枚程度の映像資料をネットで公開し(さらには全国の図書館、役所などに閲覧室を設ける)、内容が疑問な予算に関して投票してもらい、一定数疑問符が付いた事業について、再度もうすこし詳細なプレゼンを提示します。ここでもNGだった事業については原則予算を付けずに停止、廃止等の措置をします。ただし国防、外交、高度な政治判断で必要と国が判断した物は国の責任において予算を付けます。
それだけではなく、さらに事業年度が終わったときに結果報告を義務づけます(1円単位で領収書等の資料の添付、複式簿記形式による仕分け帳および会計報告書も義務づける。もし経済効果等が推定できるならそういう資料もつけると印象が良いでしょう。)。報告がない事業は無条件で次年度以降事業廃止、報告に虚偽が判明した事業に関しても以降の存続中止とします。結果も検証することによって例えば何かの事業補助予算の申請数が少ないからこれは無用ではないかという見当も出来ます。赤字だから即中止という短絡的な評価でなく、長期的な視点や単年度では効果が薄い事業なども、事業主がアピール資料をつけておきます。これに対して評点をつけるとどうせ批判だらけでまとまらないので(あと終わったことをいつまでもぐちぐち振り返っていても生産的ではないので)、これに関しては公表するにとどめます。(批判票は次年度以降の予算に対して行えば良い)
強制力でもって制度改革しなくても、すべてをガラス張りにして批評の嵐にさらせば、自浄作用が働くと思うんですけどね。*4




ちなみにこの資料作成および結果報告書作成だけで相当な雇用が確保できると思うんですけどねー。(資料作成は民間に委託、発注してもいいとする。ほら、そうしておくとさりげなく天下り先も確保できて、お役所的にも受け入れやすくなるでしょ?もっともその資料作成代も詳細に明らかにしないといけないわけですが。)市民団体も国を見張るのやりやすくなるでしょ?

*1:予算を大幅に削減したいなら、でかいところから削らないと。ハードディスクがいっぱいになってきたから容量あけようと、ちまちまと数KB単位のファイルの中身を見ていらない物を削ってる感じ。そんな物よりGB単位のエロ動画一発消すか画面を小さくして再エンコ等で圧縮した方が効率いいって話ですよ

*2:あと、判定が国の方針に対して矛盾しているという点も大きい。CO2削減を国際的に宣言した国の大目標にしていながら、学校に対する太陽光パネル設置の補助金を削除したり、役所にエコカー導入の補助金を削除したり。

*3:そうすりゃハトミミ.comなんていらない。

*4:もっともこの仮想制度でも、単年度一発逃げ切り(予算だけとって報告書をあげないでバッくれる)の無駄事業を潜り込ませることは可能なんですけどね。まあそういうことする省庁があれば、その組織の方にペナルティを課すしかないでしょうけど