おとといあたりの国会答弁を聞いてて思った。
もうだめだな。この国は。
所信表明はよくできた作文だったのでまあ聴けたのだが、代表質問に対する答弁がひどい。
第一声が皮肉ってどれだけレベル低いんだ。だいたい、これからの民主党の経済政策について聞いているのに「こんな社会にしたのは誰だと思ってるんだ?そんなあんたらに言われたくない」とは何事か。「こんなになった社会を何とかします」といって当選したから、「じゃあどうするおつもりで?」と聞いたのに、「こんなにしたあんたらに言われたくない」。 そしてそれで反論が終わったつもりでいる。
そして、質問で突かれたポイントとは違う答弁でごまかす。たぶん確信的にやってるんだと思うんだけどね。そして、ごまかしきれない問題はすべて「検討中」で、全部先送り。
また、無駄を省きましたという例はいつも「アニメの殿堂」一点のみ。
あげく、経済をどうするつもりなのかという設計図は「人間のための経済」。おいおい、なんかまた新しい言葉が出てきたぞ?人間のための経済がいったいどういう政策でどういう方針なのか具体的な説明がされていない。「人間のための経済」なんて、言葉の聞こえだけはかっこいいが、国民に対してコンセンサスを得ていない概念*1、つまり定義されていない概念を持ち出し、個人個人に都合のよいそれぞれ異なった解釈*2をさせ、けむに巻く。(注:これは「友愛」という言葉もおなじ。鳩山が「友愛」のもとになったクーデンホフ・カレルギーが提唱した言葉の定義と同じ意味で使っている保証はない。)
細かいことや答えられないことを聞かれると「検討中」。そして最後は「必ずやります。信じてください。」と根拠も示さず信じろという。詐欺師の常套句か。
国民は民主党民主党の議員、民主党の政策を支持したのではなく、自民党にお灸を据えたかっただけ*3ということに気がついたほうがいいですよ。


麻生政権の時の国会答弁を聞いていた人ならわかると思うのだが、麻生、舛添、石破、与謝野あたりの答弁は質問に対し、すらすらと数字が出てきていた*4。それに対して、今回の国会では具体的な数字が出てきた印象がない。
化学を学んだ人ならわかると思うが*5、定性実験と定量実験は天と地ほど違うんだぜ。リトマス試験紙が赤くなったんで酸性ですね。というのと、こういう濃度の酸を何ml注いだ時に液が中性になったので、元の液体のアルカリの濃度はこれだけでした。という話ができるのがどれだけ違うかは何となくでいいからわかりますよね?
今の与党が素人政権なのはわかりましたから、早く定量で物を語れる政府に成長してください。


ああ、もう一つ思い出した。あまりにひどかったんで私の中でなかったことにしてたよ。
自民の林議員の質問に対する藤井財務大臣の答弁。
なに、あの林議員に対する先輩ずらと上から目線。そしてそれだけで議論に勝ったんだと言わんばかりの勝ち誇った態度*6
あのさ、あの質問と答弁って国民に代わって質問と回答をしてるんだから、あの回答は国民に対してやってるんだよ?内容もそれ以上に、またひどかった。早く問題発言するか不祥事起こして大臣の座を降りてください。

*1:つまり、この言葉のカッコよさ、いいことを言ってる風に聞こえるので国民が勝手に自分に都合よく解釈してしまうのだ。ディベートならまずこの「人間のための経済」の定義を論者の間で共通認識として確立させることから始めないと議論にならないところ。

*2:たとえば私なんかは「今まで法人(=会社、特に大企業)を優遇、援助してきましたが、これからは個人を優遇、援助するようにします」という意味なのかな?と思ったのだが、鳩山氏はそういう意味で言ってるんじゃないと思う。ただ、私がもっと単純バカだったら、勝手にそう解釈して、「ああ民主党政権、鳩山氏はそうやって人を大切にするんだ」とか勝手に感激して、熱烈なる民主党支持者になっていたかもしれないのだ。

*3:このあいだ、「お灸を据えようと思ったら焼け野原になってしまった」といううまい言葉をネットで見かけた。

*4:たとえそれが官僚の作文だったのかもしれないにせよ

*5:私は四谷にある大学の化学科に在籍していたことがある。5年いて中退だけどね^^;

*6:そして私にとって意外なことにあの答弁が今までにないものでよかったという意見を多数ブログで見た。ダメなのは政治家ではなくて国民だったのか。すでに私はマイナー組に入っているのはわかっているけどあれを良かったと言い切れる人がいるなんてかなりショックだったね。