散々絶望放送を聴き倒している私が神谷浩史のラジオの面白さを第46話を例に分析してみた
(46回放送はギリギリ来週の火曜日8/12まで聞けます。)


1)笑い声 
明るく張りのある声で笑う。(3:32〜 など)
それをリアクションとしてではなく強引に笑い続けることができる。
正直場合によっては作り笑いなのだが、明るく張りのある笑いなのでウソに聞こえない。
笑い声の使い方
→自分の話の直後に笑う。
 相手が反応に戸惑っている場合でもかぶせて笑うことで場を面白くしてしまう。あるいみ笑い袋的使い方。
→相手の言ったことに対して笑う。
 通常以上に受けているように聞こえるので、相手がノッてくれる。


2)語りの上手さ
46回の「大草真菜美17歳です。オイオイ」の中で(17:27〜)
スリッパで姫路から名古屋まで行ったうちの母親…というメールをうけて
自分の体験として以下のような話をしている。

ボクはアレなんですよ、青二塾、養成所に入るときのオーディションで、青二塾、吉祥寺にあるんだけど、
吉祥寺の、そのときはなんか、市民センター的なところの会議室でオーディションやったのね。
で、上履きを持ってきてくださいって、書いてあったから、室内履きをもってって
履き替えて、中でまあ何かしらのパフォーマンスをやって、出てったわけ。
で、やっぱすっゲー緊張してるじゃない?で、ま、出て行って「あ、すいません、お疲れ様でした」っていって
でまあ、初めて吉祥寺の町に来たから吉祥寺の町をしばらく散策しよう。っていって3時間くらい
あちこちぶらぶらしたの。
で、さて帰るかな?って段になったときに
「おやっ?」っと思って。
「おやっ?僕がはいているのはどうやら上履きだ。」と気づいた。
だからボクは直帰っていたら、靴わすれてたんだよね。
新谷:ああ、おいてきちゃったってこと?
そうそうそう、本当においてきちゃったの。そのオーディション会場に。
で、急いで戻って、三時間ぐらいたってんだよ。
でもまだいたから、「すいません」って言って、履き替えて帰ってきた。
アレで落ちてたら、ま、実際ここにはいなかったですけども、そうとう切なかっただろうね。

(文章で起こすと冗長に聞こえますが、実際聞くと流れにそって入ってきます。)
これ、私なら「間違えて上履きで帰っちゃったことあったよ」くらいにしか表現できないものを、きちんと5W1Hを流れに沿って説明している。
聞きながら、シチュエーションが絵に浮かぶように神谷さんの体験を殆ど追体験できたのではなかろうか。
このように聞いていて絵が浮かぶような表現の上手さが、パーソナリティとしての上手さにつながっていると思う。


3)表現の多彩さ(引き出しの多さ)
同じく46回のエンディング(36:34〜)から
エンディングでインフォメーションを読んでいる最中、新谷良子が手持ちで遊んでいた輪ゴムを飛ばすというハプニングがあったのだが、
それを説明しているさなかに、二人の間の線という意味で、
ストローで引いた「ここから入ってこないでくださいね」の線に対して(37:56〜)
「神谷さん荷物おいてもいいですよ見たいなテリトリー」
「向こうにおいてあるおにぎりは良子おにぎりなので手を出さないでくださいね」
「こっちからこっちにある野菜生活は私のですから」
と、境界線についてこれだけの表現をしている。
これ、新谷良子の手慰みから生じた突発事項なので事前の打ち合わせや考える時間があるわけなどなく、
つまり完全にアドリブの状況なのだが、そのなかでも
一つのことに対して表現を変えていろんなあらわし方をしている。
この回転の速さと、引き出しの多さがすごいなーと思う。


4)観察力
この回に限らないが、新谷良子がボーッとしてたり、集中力を欠いていたり、よそ見してたり、別のことをしていると
神谷さんは、すかさずそれに対して突っ込みを入れる。
つまりいろいろ話や進行をしながらも、相手を観察し反応を見たり、そこから何かを引き出す余裕があるということだ。
その一歩引いた冷静な視点が、進行の上手さ、場の空気を読むことの上手さにつながってるのではないだろうか。


勝手な推測だが、10年ほど前に月代わりで様々な人とラジオをやったという経験が大きいのではないだろうか。
自分はサブに徹して、相手を観察し、いいところを引き出したり、コントロールしたりする経験が大きいのではないかと勝手に思っています。。
個人的にラジオ聞いてて思うけどピンでやってるのが多い人はダメなひと多いね。