漢字を多用した黒地に白字の実況形式のタイトルがエヴァのパクリとかそういうのはどうでもいい。


実行委員が裏方に徹し、自分達が何も学園祭の出し物をしないというその展開が良い。
そして当日やることがなく暇と言う展開が良い。
なおかつ、じゃあ学園祭を見に行くという展開にしないのが最高に良い。


企画から設計、プログラム実装、ユーザーサポートやメンテナンスと全てを一人で面倒見るプログラマーとして*1、そして知り合いの同人のマンガをスクリーントーン張りのアシスタントとして手伝ったりして、一応一次、二次の創作として物を作るほうの立場にいるものとして、いろんな作品を見るときに、自分だったら同じ素材をどう展開させるかというのはどこかで意識しながらいろんな作品を見てる。
その視点から見てまなびストレート!は常に他作品や自分の想像以上の展開を見せてくれた。前段落の3行はその中でも私が今回の話で特に良いと思ったポイントである。


学園祭をやろうよ!という話にする場合、自分達が出し物を出す側の話にするのが主流だ。そのほうがいろいろイベントもあるし、直前の盛り上がり、バカ騒ぎなどは「うる星やつら ビューティフルドリーマー」の前半部分に描かれるとおりである。あずまんが大王にてもぬいぐるみ展示会や、喫茶店をやろうとか十分ネタになっている。
ところがまなびストレートにおいては、自分達は実行委員として裏方に徹し、自分達は出し物を行わない。
まあ具体的にどのように裏方作業を行ったかは描かれていないのだが(交渉や調整など地味な努力なので作品で描くほどの盛り上がりはない)、主人公達がそちらの立場に立つという展開を見せた作品は私の知る範囲では無い(そしてあったとしても数は多くないはずだ)。
そして当日暇ということは事前の準備が完璧だったことを示している。そしてその完璧さは(語られてはいないが)芽生の完璧主義が良く作用したものであろう。つまりその結果にキャラクター設定が生きているということで、十分説得力を持っている。
そして、ひまだったら抜け出して出し物見に行ってもいいよね?となって出し物を見て回ってみんなと交流…というありがちな二流の展開(というか私の作話の発想レベル)にしないところもさすがだといえる。
やっぱまなびストレートの話を作ってるスタッフはすげーや。


おそらくは関係者しか入手できないチケットがオークションで売られていて、怪しげな人たちが入ってくるという展開はえらく時代を反映していると思った。もっとも2035年ころにはそういうのは流行らなくなってるだろうけど。(以前桃が芽生のことを「ツンデレなんだから〜」と言ったときにも、劇中でツンデレという単語を公式に発言した初作品なのでは*2と思ったのと同時に、2035年ごろにはそれは死語になってるだろうとは思った。)


前々から思ってたんだけど、まなびの兄貴は「魔法遣いに大切なこと」の小山田先生に見える。


学園祭のライブがハルヒのパクリだとかそういうことはどうでもいい。
歌うまいと思ったらCVは茅原実里なのか。
微妙に演奏の音と映像がずれてた気もするけど、個人的にはハルヒの演奏よりもこっちのほうが好み。


しかし前回わからなかったイメージ力をあっさり理解するとはさすが多佳子さん。あなた相当頭いいですね(そしてしっかりそういうキャラだし)。


あの花火はかなり秘密っぽかったところを見ると桃の個人資産で打ち上げたんですかね。


まなびストレートはキャラクター設定を上手く使い切っているすばらしい例だと思います。

*1:というか、単に一人でソフトを作ってるだけですが

*2:確証はありませんが