桃のグループ内でのスタンスがおもしろいと思う。
当事者じゃなく、干渉しない観察者という感じなんだけど、しっかり身内扱いされている。
「はいすいません」とか「無視ですか?」とかタイミングも上手いし最高。


芽生の「うるさい!」でセミが泣き止むのとか面白かった。
平野綾の台詞は本当に黙りそうな勢いだった。
彼女的にはハルヒよりも芽生のほうが感情のバリエーションが多いという意味でもはまり役だと思う。


デスマーチ末期でおいつめられた人間が、なにかバカなことをやってストレスを発散させたい(閉塞感を打破したい)気持ちは経験者にはよくわかる。
そのシーン死ぬほど笑った。
まっすぐゴー!のリピートがレコードの針飛びのようだったが、CD世代の人にはわからないんだろうな。
3人が本当に気が触れたわけではなく、わざとやってることはみかんが泣き出してからおもむろに無言で仕事に戻ったあたりからわかる。


まなびの学園祭のイメージシーン。
なるほど、まなびはヴィジュアルで考える人間だったのか。彼女の常人離れした発想や、イメージを現実にする力の秘密はそれだったのか。
あのスローモーションになるシーンは、スタートレックの映画、「Insurrection」のピカードとアニージのロマンスシーンと同じことをあらわしてるよね。


最後の花火とプールのシーン、カメラも生徒手帳も防水なのね。電子デバイスを持っていてその辺を気にしなくていいというのはいいね。
二流の演出家なら最後みかんもプールに飛び込んで仲間であることを確認、という演出にしたに違いない。
しかしまなびストレートにおいてはみかんは飛び込まなかった。(直前に置いてきぼりの強迫観念のイメージシーンをはさんでいるにもかかわらず)
これは、飛び込まなくてもきっと私達はもうしっかりとした仲間だよね、大丈夫だよねという確信があったので、結局飛び込まなかったということだと思う。
その辺が実に上手いなーと思う。もっとも最初見たときはみかんも飛び込んだと思ってて、見返して気づいたのだが^^;




まなびストレート!はとにかく表現に優れている作品だと思う。
前話でも建前上勉強に来たみかんが一瞬でむっちーの兄弟と溶け込んで仲良くやっている様子から、普段の交流の様子がわかるし、むっちーの面倒見の良さ、姉御肌気質が、あのうるさい兄弟の上としてやっていっているところと整合性が取れているところとか。
夏休みの課題(宿題)を指摘しようとするシーンも、そこに至るまでの回りくどさと、それに対比して間髪入れないごまかしの叫びのストレートさとか。
こういった話の構成も見せ方も上手いし、絵の動きもところどころ妙にすごいところがあるし(告白に失敗したソフトボール部後輩が駆け去るシーンとか)、音の使い方も上手いし(セミの声等の効果音や、キーシーンに入るハンドクラップとか)間の取り方(ボケ&突っ込み担当のカウベルや間髪いれずに入る台詞*1のタイミングのよさとか)、声優さんたちの演技も上手い。
駄作はいらないのでアニメバブルははじけてもいいので、全てのアニメのクオリティの最低ラインがまなびレベルまで引き上がらないもんかなー
まなびストレートが1クールというのはもったいなさ過ぎる。

*1:例えば今回の話で言えば桃の「無視ですか」のリアクション全般