さすが、劇中の小道具に手を抜かない京アニ、しっかり劇中歌を作ってきましたな。
歌うシーンが結構まじめだったのにはびっくりした。(あと平野綾の結構マジな歌唱力ね。これを見越してキャストしたんだろうな。)
途中ハルヒの顔が美少女主人公らしからぬ、どっちかというと矢沢の永ちゃんっぽいごつい絵になってたけど、人が本気で魂込めて歌おうとするとああいう顔になるよね。
いままでアニメの中で劇中歌であそこまで魂込めた歌い方とその描画を見たことがない*1
たとえば、機動戦艦ナデシコの中でも劇中の女性陣が歌を歌う回とかがあったり、もっと言えばマクロス(劇場版)、マクロス7などでは歌が主題になってるし、劇中で主人公やアイドルが歌ってるシーンは多々あるのだが、それらは登場人物がアニメ的に歌っていて(いくつかは名曲だし、なかにはソウルがこもっていた曲もあったが)劇中の絵で人間が歌ってる作画というのはなかった。
今回ハルヒの歌の中で女性としては力が入りすぎてブサイクとも言える作画があったことがとてもすごいことだと思う。
逆にそれがぶっつけ本番でアレだけの人数の前で歌うことに挑むハルヒの緊張なども表していて、非常に効果的だったと思う。
曲もキャラソンとして、アイドルアイドルっぽくおちゃらけソング作っちゃいましたというやつ*2ではなく、かなりマジな出来になっていて、高校生の(文化祭目的の即席のアマチュアバンドなどではなく)まじめに音楽をやっていて、なおかつ実力的にひとつ抜け出したあたりのかなり上手いバンドが作りそうな感じという、そういったさじ加減のいい曲になってるのだ。
もうすげーよ、この作品を作っているスタッフ達。
あと、キョンが表向き乗ってない風に見せて、指で内心はノリノリだというのを表現してるのは上手いと思った。
私もどっちかというとライブ会場で吹っ切れなくてキョン的態度を取るほうなので、そのへんよくわかります(w


今週のポイント
めがっさ似合ってる鶴屋さん
○秒単位の有希の予言。(だれかSSの神様、キョンが有希の前に座り、「俺とお前の恋愛運を占ってくれ」と冗談で軽くさらっと発言したら?というシチュエーションで作品書いてください)
○古泉の古畑っぽい劇。女子の心を釘付け(w
○人から感謝されることに慣れてないとか、*3ハルヒの分析スペシャリストなキョン
○その木は後に運命のなんとか…とか名づけられるんじゃないだろうな?
○SOS団がバンドを組むなら、のこりの構成は古泉くんがドラム?キョンがベース?
○全ての部活に仮入部したって設定が生きてるともいえるな。(バンドメンバーがあっさりボーカル交代を承認したこととか)
長門がギターをマスターしたのはハルヒに言われてからなのは明白。彼女の正体からして技術的な面では何の問題も無く超絶技巧でもマスターするだろう。(攻殻機動隊で言うところの該当ブログラムをダウンロードしてきたとか言う感じで)しかし長門は曲の「ノリ」や「めりはり」「情感」といった譜面に落ちないものまでもマスターしてるように見える*4
MIDIで単純に譜面データを入力しただけでは「ノリ」が出ないことはやってみたことのある人ならわかると思う)
すでに長門有希はそういった有機生命体特有の情報まで身につけているのだろうか。
○あと楽器の演奏の描写、絶対ガチだよね。よくその手の物はいい加減なものが多いがこれはリアルに演奏して、それをそのまま絵にしてるよね。ギター詳しくないけど、そこそこ触ったことあるレベルでの感触と、知り合いのすごいギター弾きの演奏を見せてもらう事がたまにある経験からすると、実際の曲を弾いたらほぼあのとおりの指使いになるはず。またドラムもほぼ一致していたし、なによりスネアの面の振動までかかれてたよ。細けー!
○原作では古泉の劇はハムレットで、ストッパード版に変更になったと言ってましたが、こういうことなのか。
ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ [DVD]
解説としてはこちらあたりがよかったかしら。




結構この作品って二度、三度見ても発見があるんで気づいたら、また他所を巡っていて気づかされたら追記します。
巡回先ではこちら様の意見が面白かった。
http://d.hatena.ne.jp/sirouto2/20060618/p5
確かにライブ中、キョンの内面語りは出てきてないわ。(古泉との会話はあっても)
そして、キョンの内面語りをださないことで、視聴者が素に返る(客観性を取り戻してしまう)ことを防いでいるのか。


http://d.hatena.ne.jp/starcherry/20060620#p4
”人のため”という視点

*1:巡回してて発見。「おもひでぽろぽろ」がこれに匹敵する描写してるかも。要確認>私

*2:実は恋のミクル伝説はこっちの部類(笑)どっちらの種類の曲も一つの作品中に共存してるところがまたみそ。

*3:いつのまにか古泉より…と書きたかったがこれは原作既読視点

*4:メンバー紹介でノラなかったのとはまた別の話