私的にはやらないと思っていた、孤島症候群の解決編。
もし解決編の放送が無かったら(おそらく今期)1クールと目される涼宮ハルヒの憂鬱の第二シーズンがあるということの傍証になったと思うのに。


tvkの放送時間がいつもより15分早かった気がする。TVつけたらもうCM後の解決編やってたよ。


ま、そんなことより漫画版の涼宮ハルヒの憂鬱をみたら、結構な量のネタバレ読んじゃったんで、
もういいやとおもって、原作の第一話「涼宮ハルヒの憂鬱」を読んじゃったんだよね。
どうせネタバレするなら原作でしたほうがオリジナルの形だからいいじゃん?
ただし孤島症候群の後半はまだ読んでないけど。


そして、中途半端に原作既読状態で思うこと。


これ、絶対に原作既読者のほうが損してる。
(注:おそらく「憂鬱」に続き、二番目に面白いと思われる「消失」をまだ読んではないのですが)


ミステリックサインにおいて、対カマドウマ戦の拡張、
孤島症候群キョン妹を連れてくることや、原作に無い王様ゲームなどを見てるに、
アニメが上手く原作を膨らませていて話としてはアニメのほうが面白い。
(もちろん、アニメが後発なのですから、そのくらい拡張していてくれないと困るのですが)
それは「溜息」を原作をなぞることなくその完成品としてあの自主制作映画を作って見せてみたことでもアニメスタッフ(脚本、演出)の優秀さがわかります。


ただし、アニメと比べて原作がダメということではなく、原作がうまく作られているからこそ、アニメの出来がいいというのは感じます。


さてどうせお芝居であることはミエミエの殺人事件の解決編ですが、
原作、アニメともにミステリーとしては脇が甘すぎます。
明らかにわかる矛盾点(しかも矛盾点を出した直後にキョンに違和感を感じさせ、
ミステリー初心者の視聴者にも「ここがおかしいんだよ」と教えてあげるおまけ付き)
死因の稚拙さとタイミングその他のご都合主義
(刺されたけど本のおかげで助かった
 →古泉たち突入直前に意識を取り戻し、ものすごく絶妙なタイミングで鍵をかける
 →ぶち破った扉に当たって半刺さりのナイフが…)
多分ミステリーが趣味の人は「ミステリーをなめるな!」と言いたいことでしょう。


だが、勘違いしてはいけません。
これはミステリーを描いたものではなく古泉(及び機関)が準備した
「エンターテインメント」を描いたものなのです。
つまりドッキリなのです。
あんまりハルヒにマジになられても困るんで、早めに気づいてもらうために
ミエミエの破綻点をだしといて「このくらい見抜けるわよ!甘いわね!」*1ハルヒ様に大得意になってもらうのが目的なのですから。


ただし、前話(ある意味前々話w)と絡めて見ると伏線の張り方は上手いと思います。
なる程前回つなぎが変だと思ったシーンとか、ちゃんと意味があったんですね。
海辺でみくるちゃんが何かに気づく→次のシーンは古泉がジェットスキーで女性陣を牽引するというつながりの無さとか、
夜中のバカ騒ぎでハルヒが部屋に入ってくるシーン→明らかにトイレから帰ってくるシーンなのだが、普通そんなシーン「妙齢の女性がトイレから帰ってきた」を描く理由が無いこととか。
ただし圭一さんが夕食でにんじんを残していたことが伏線とは私は気づきませんでした。そもそもあのシーン、にんじんを残してることに気づきませんでしたから。
けど、あのシーンも見直してみると
キョン妹がピーマンを残す→キョンに説教を食らう→主人を見ると彼も好き嫌いでにんじんを残している
という、リーディング(誘導)がされてるんですね。


あと、ハルヒは自分が活躍するのもそうなんですが、キョンが活躍するところを見たがってるんじゃないかというのは原作既読者にはお約束ですか?(w
ま、原作とか読んでると、どうも涼宮ハルヒはダミーで、本当に涼宮ハルヒ的力を持っているのはキョンっぽいんですがね(w




さて、表向きドッキリミステリーの種明かし回なのですが、今回の個人的ポイントはそこじゃありません。
すでに「涼宮ハルヒの憂鬱」の基準軸が「長門有希」な私にとってはただ一点。
長門有希にとっては団長であるハルヒの命令よりも、キョンの命令のほうが権限的に上位である。」ということが描かれていることが重要です。
ちなみにキョンは扉を開けなかったことを長門流のジョークか?とかんぐってますが、
この時点では「誰がなんと言っても扉を開けちゃダメよ」を文字通りに律儀に解釈しただけだと思います。
(もしジョークであったならキョン長門に浮かぶ1ミクロンの表情に気づくはず。)


そういえば今回はさすがに長門も本は読んでなかったなぁ。
→ああっ、帰りのフェリーで読んでるんだ長門萌え者失格!(w






原作既読者はとっくに気づいてますよね。
涼宮ハルヒ」についての物語は「涼宮ハルヒの憂鬱(原作一巻)」で完結していて、それ以降は「涼宮ハルヒシリーズ」は「長門有希の成長物語」になっていることを。
(「溜息」はまだハルヒが軸か?「消失」は未読なんだが、話のネタからし長門が軸でしょ?)


OPの
>N.Yuki:また図書館に*2
これ、ずっと(学校の)図書「室」にだと思ってたんです。
なんかのエピソードの話で、話を進めるために長門キョンを呼び出してるんだと。
(もしくはある話のエピローグとして)
「図書館」とは気づかなかったなぁ…
ネタバレしちゃうと長門有希派としては萌え萌えですよ。


追記:
もしこれが芝居じゃなくて本当にドアを開けたことが理由で圭一さんが死んだんだとすると、
これは殺人(犯罪)ではなくて単に事故であって
(だってキョンたちには明確な殺人の意思が無いもの。)
罪に問われるものではないから、真相に気づいたとしてもハルヒキョンたちを「かばう」性質のものではないと思うんだけど、どうなんでしょう。
さらには過失致死にも問われないと思うんだけど。(この場合過失があるとは思えん。)


その2:
キョンの首の後ろにあるほくろ毛は今後の伏線?朝比奈さんにとってのアレみたいな。



*1:このシーン、「逆転裁判」のパロでもあるらしいんですが、「逆転裁判」やってないからわかんないんですよね。でもそれで面白さが減るわけではないですけど。

*2:>N.YukiでなくYuki.N> ね。所詮このくらいの注意力しか持ってません、私^^;