(ファイブスター物語)

12巻
やっぱり永野護は天才だわ。
現在、傍若無人にも大型ゲームリリースごとに長期休載等の
何をやっても許される漫画家が数名いるが、
永野護だけは本当に別格にしてもかまわないと思う。
(他の漫画家さんに関してはいい加減にしろよといいたくなる人もいないではないが)
もう、FSSについていっている人は覚悟の上と思うが、FSSと付き合って行くことは
「永野の寿命が先か、自分の寿命が先か」という自分の命を賭けたギャンブルに等しいよね(笑
あと、私は幸いなことにガレキや周辺資料には手を出していないのだが、
そちらに手を出してしまった人達は、せいぜいお金を落として永野御大の価値を高めてください。


なにをやっても許されるというのは、
「他の人には絶対に作ることの出来ない独自の世界を描くことが出来て、それがやたらとかっこいい」
からに他ならない。
正直、世にあふれる大半の漫画やアニメの大半は、言葉は悪いが探せば類似作品がいっぱいあるわけですよ。
学園で大騒ぎが起きようと、宇宙人が混じっていようと、
剣と魔法のファンタジー世界での冒険だろうと、
女の子だらけのハーレムでうはうはだろうと、
ロボット型兵器に載って戦おうと、
類似の物語はそれなりに生産されてきて、ある作品がなくなったとしても、
他に補う作品がものが出てくるんですよ。


もちろん、その枠の中でもそれなりのオリジナリティがあるものは、ちゃんと名作として
残ってますよ。
でも、永野護の「ファイブスター物語」は、
かつてSMAPの「世界に一つだけの花」のせいでではやった言葉、
「オンリーワン」に真の意味であてはまると思うのです。


いったい、永野以外のだれに、12巻の最後のほうのダイ・グ・フィルモアのあの国家元首としての苦悩とその重みが描けようか。


もう、上のシーン*1が描けるだけで、永野はあと20年かけて次の12巻を描いてもらってかまわないと思うよ。
変に現在の漫画量産システムに乗せられてやっつけ仕事で月何ページか出されるよりも、
永野自身が納得できる形とペースで世に出していって言ってほしい。


ま、次褒めるのは13巻が出たときですけどね。(笑
もちろん日ごろは、お話のご都合主義や、次々出てくる新しい設定とか*2に文句言い、
早く13巻を出せと言いますよ?


一応、永野よりは年下なんで平均的確率から言うと、永野の寿命が尽きるほうが早いと思うんで(w
なんとか物語を描かれたところの最後までは見れそうだとは思うんだが(w


日ごろおちゃらけていたり、かっこつけているが、いざ戦闘となるとすさまじい能力を発揮し、
それでちゃんと苦悩や背負ってるものなどの陰の部分も描き、人物(騎士)の深みを描く。
そういうことができる永野は、できれば能力が衰える前に、主要な見せ場を全部書き終えていてほしいと思います。


あとp143のソープのセリフに大笑いできるのが真のFSSファンだと思う。

*1:もちろん、そのシーンに深みを出すために今まで描かれてきた分も込みでの話
またそのシーンの直前がFSSの世界を受け入れられた人ならば大笑いのシーンなのもポイント高し

*2:最近は唯一のよりどころの年表も微妙に変更されてるみたいだけど。